「愚者(The Fool)」のカード
ここでは、カードの絵の印象や絵を見て私が感じたインスピレーションについて、書いてきます。参考文献をがっつり調べたわけではないので、一般的な解釈とちょっと違うかもしれませんが、よかったら参考にしてみてください。
全78枚のタロットカードから1枚づつ紹介。
今回は、大アルカナの0番目、The Fool「愚者」のカードです。
愚者のカードに描かれている人物は、空を見上げ旅途中の若者です。彼は今にも落ちそうなほど端っこの崖の縁に立っていますが、どうやらまだそのことには気づいてないようです。まだ世間の酸いも甘いも知らなそうな彼は、若気の至りゆえにこれからもたくさん痛い目を見るかもしれません。しかし、どこまでも楽しそうな表情からは、若さが持つ力やダイナミックな意思を私たちに強く感じさせますね。
構図を見ると、オープンで開放的な愚者の姿勢に気づくかもしれません。たとえすぐ先に崖が待ち構えていたとしても、愚者はその先にいつも希望を見ているのです。足元に目を凝らすとここには白い犬の姿があります。白い犬は忠誠心や信頼の象徴です。愚者が崖に踏み出してしまうのを警告しようとしているのかどうかはわかりませんが、いずれにしても、まだ駆け出しの愚者にとって力強い相棒であることは間違いないでしょう。
総じて愚者のカードが表しているのは、身体と精神が無垢で自由であるということです。後悔や不安を一切持たず、ただただ歩みを進める愚者のように、このカードはこれから新しく自由な人生を歩みだしていく・・・そういった未知への旅立ちの象徴と言えるのかもしれません。